化学的な物質を含まず、有機物のみで作るため安心して使える「有機肥料」。
すなわち「堆肥」は家庭菜園では積極的に取り入れたいですよね。
おおまかに動物性と植物性に分類でき、特に動物性は肥料成分が多いので作物の成長促進効果が高く、植物性は土壌改良効果があるといわれています。
実際に家庭菜園の場で土づくりを行う際は、この2種類をブレンドして使うケースが多いようです。
今回は、堆肥のいくつかをピックアップしてご紹介してみましょう。
牛糞堆肥
牛の糞尿を固体と液体に分離し、固体部分をバークやわらなどの炭素源と混ぜて堆積発酵させたものです。
草食動物である牛の糞には繊維質が豊富に含まれており、与えると土を柔らかくするとともに排水性や保肥力、保水性を高めてくれます。
鶏糞に比べると即効性に乏しいものの、3大栄養素の窒素・リン酸・カリのバランスがよいのが特長です。
ゆっくり効き始め、効果が長く続く堆肥といえますね。
ほかの肥料成分を補ってやると、さらに効果を発揮してくれるでしょう。
鶏糞堆肥
土壌改良材としての役割が大きい「牛糞堆肥」に対して、肥料そのものに用いられるのが「鶏糞堆肥」です。ホームセンターで手軽に購入でき、栄養豊富なうえに安いのがうれしいポイント。
鶏糞はリン酸を多く含み、実がつく野菜の肥料にはぴったりです。
さらに分解が早いので追肥としても施用できますが、土壌微生物が活性化されることで有機物の分解も進むために地力が落ちやすい点に注意しなくてはなりません。
また石灰の含有量が多いので、続けて使うとアルカリ化しやすいのもデメリットです。
油かす(菜種)
油かすとは、菜種や大豆から油をとったあとの残りかすを指します。
農業や家庭菜園、ガーデニングでは一般的に使われ、3大成分のなかでも葉を茂らせる窒素を多く含んでいます。
即効性は低く、発酵することによってゆっくり効いていく緩効性を持ちます。
市販では発酵済みと未発酵が販売されており、未発酵のものは地中で発酵してアンモニアを生成するのできついにおいがすることも。一段落するとおさまりますが、気になる人は発酵済みの油かすを購入しましょう。
そのほか、牛糞と鶏糞の中間的な「豚糞堆肥」や石灰やリンが少ない「稲わら堆肥」、良質でふかふかした土になる「バーク堆肥」、魚粉や骨粉を使ったものなどがあります。